北アルプス・笠ヶ岳西面・笠谷 本谷



1.期間:2009年8月14日〜8月16日
2.山域:飛騨山脈
3.メンバー:飛騨山岳会(CL 山男、SL 諏訪、食料 岩野、記録 水谷、装備 河合、アドバイザー 二村)
4.天気:8/14曇のち雨、8/15晴れ、8/16快晴
5.共同装備: 8mm×30mロープ×1本(8/15のみ)、6.5mm.×15m・25mレスキュースローロープ×2本、ハンマー×2、ハーケン×6枚、2人用テント×1、4人用テント×1 、ビリーカン×1、ガスストーブ×2、ガスボンベ小×2、鉈×1、ノコギリ×1
6.行動記録
8/14 笠谷林道ゲート前755m 6:30→ホウガ谷1100m 8:05→ヒアケ谷1150m 8:33,8:45→入渓点1210m 9:48,10:10→ 笠谷1600m付近(右岸に滝、正面に12m滝の出合)でテント泊 15:30

8/15 テント場6:35→クリヤ登山道2660m 12:20→笠ヶ岳2897m→笠ヶ岳山荘2812m(遡行完了祝い)→テント場
20時頃まで宴会。

8/16 テント場6:50→笠新道登山口1350m 10:55,11:10→新穂高1075m 12:00,12:15→中尾温泉口P970m 12:45

 昨年の100周年記念登山に続き、今年は笠ヶ岳西面の笠谷 本谷に行ってきた。長雨の今夏であったが8/14-16は何とか晴れそうである。
 笠谷は小倉谷・打込谷に比べると簡単と聞いていたが、入渓点からいきなり現れた50m直瀑・40m直瀑(洞窟の滝)は 直登できないため、いやな高巻きがあり緊張するところであった。実質リーダー二村さんに高巻きルート工作をしていただいたので、 安全に高巻けた。
 40m洞窟の滝を越えれば、笠谷の核心部ゴルジュはほぼ終わる。その後は渓相も穏やかになる。15時に1600m付近で格好のテン場を みつけ、今夜の泊まり場とする。
 二人用、4人用テントを設営後、焚火を周りで宴会開始。ベーコン・トンチャン・キムチetc・・・。次々と各自のザックからツマミと酒が出てくる。 重いはずだ・・・
 明日の為に酒は残すつもりだったが、ある酒は全て飲み干せ!のHAC100年の教えに従って酒はなくなった。辛うじて別場所に冷やしてあった ビール1350mLは飲み損ねた。

以下は記録担当の水谷さんの報告書です。


8/14
 丹生川支所で4名が合流。諏訪車を槍見の駐車場にデポして、二村車で笠谷へ。 ゲートの数百m手前で土砂崩れが起きており通行不可能。手前の待避所まで戻って車を止める。 ここで神岡からの細畑、河合と合流。
 長い林道歩きであるが、昨年の打込谷の林道歩きのように緊張を強いられる箇所もなく、林道終点がそのまま入渓点。 膝まで程度の浅い渡渉を繰り返しながら進むと、右岸からせり出す岩盤の裏から水煙が舞い上がっており、 馬蹄形の谷底に轟音が響いている。岩盤の裏側が見える位置まで進むと、斜め後方から滝が落ち込んでいる。
 水しぶきを浴びながら正面の草付きを登り、途中から左へ樹林の間をトラバースするが、二村さんの過去の高巻きの 記憶が曖昧で踏み跡なども見られず、「ここを進んで大丈夫か?」と思ってしまう。
 ロープで安全を確保しつつ滝上へ。次に現れる裏側に洞窟を抱えた大滝もすさまじい。水しぶきを浴びながら 滝の右岸側から裏側に回り込み、左岸側に抜けて狭いルンゼを落石に気を使いながら直上する。
 高巻きを終えて流れに戻ると、3つ目の滝が目前に現れる。この滝は右岸から巻くが、「高巻きは小さく」の 鉄則のような二村さんのコース取りで、落ち口のすぐ横が終了点。安全確保のためロープを出すが、 技術より恐怖心が先立つ高巻きとなった。
 雨の心配はないが、日差しもなし。歩いてきた距離に比して標高も稼いでいない。当初予定の広河原 1700m地点での幕営をあきらめ、標高1550m付近で幕営とする。
 すぐ上流に10mほどの滝、対岸からもスダレ状の滑滝が合流し、ロケーションは最高。左岸の草地にテントを張る。 流木が少なく昨年ほど豪勢なたき火はできなかったが、これが幸いしてビリー缶での炊飯は最高の出来となった。 一時霧が立ちこめるが宵には星空となる。(地形から判断するとここが清水平だったようにも思います。)

待避所(6:33)−ゲート(7:39)−入渓点(9:50〜10:10)−大滝(10:40)−高巻き終了(11:53)−洞窟の滝 (12:25〜12:30)−高巻き終了(12:57)−3つ目の滝高巻き終了(13:50)−清水平(15:30頃)(行動終了) 


?? 錫杖林道を歩く 8:06


?? 笠谷に入渓 10:16


??  最初の滝 10:28
此処はノーザイルで直登する。

?? 50m直瀑上段 10:44
直登は不可能。高巻きのため、左岸の嫌らしい草付きにザイル工作して安全確保する。

?? 50m直瀑下段


?? 高巻き終了 12:05
この50m直瀑布の高巻きは、ザイル工作を行ったため、ずいぶん時間が掛かった。

?? 40m直瀑(洞窟の滝) 12:13
50m直瀑の後、すぐに現れる洞窟の滝。此処は左岸のルンゼを高巻いた。

?? 滝の裏側通過 12:26
滝の裏を通過し、左岸のルンゼに取り付く。

?? 15m滝 13:01
洞窟の滝を高巻き直後の15m滝。ここは、ザイル工作後、右岸を小さく高巻く。

?? 穏やかな渓 14:21
下部の『圧倒的ゴルジュ』を過ぎれば、穏やかな渓となる。

?? テン場 16:46
記録の『上流に10mほどの滝、対岸からもスダレ状の滑滝が合流』の場所。

?? 焚火と酒宴 17:13
まずは飛騨名物トンチャンを焼く。

?? 焚火とビリーカン 18:54
三本櫓が今回も快調だ。

?? 燃え上がる炎 20:44
濡れた衣服も完全に乾いた。明日に備えて寝ますか・・・




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