2009/3/8

空沢山（1421ｍ）

１．期間：2009年3月8日
２．山域：
３．メンバー：飛騨山岳会　加藤(AT)・諏訪(TM)・古村(AT)・橋本(TM)・松宮(TM)・山男(TM)
４．天気：曇のち晴れ
５．装備：Ｋ２　She's　Piste（160cm）、Ｔ２Ｘ
６．行動記録
　神岡スカイドーム4:30⇒富山IC⇒糸魚川IC⇒笹倉温泉457ｍ　6:40,7:20～九十九折り林道790m地点　8:20,8:30 ～火打山川渡渉911ｍ　9:15～空沢山北西尾根の稜線1090ｍ　10:15,10:45～空沢山1421ｍ　11:44,12:25～放山とのジャンクションピーク1191m　13:45,14:00～林道515m　15:35,15:55～笹倉温泉16:05

　今年の冬は記録的な寡雪で、飛騨周辺の山は雪が少ない。CL（細畑）の呼びかけで、糸魚川の空沢山が企画され、６名が参加。火打山、焼山北面となるこの地域は、北（シベリア）からの寒波が大量の雪を降らせるようで、今回も十分な積雪があった。雪は数日前にも降ったようで、クラストした雪の上に数センチの新雪があって、登りも下りも助けられた。
　高山からの４名は、早朝４時前に出発。４時半に神岡で２名と合流し、富山を経由、糸魚川の笹倉温泉からスキーを開始する。この周辺、林道が整備されていて、最初の１時間強は、林道をショートカットしながら８００mまで高度を上げる。
　天気は、快晴ではないものの、無風状態で、暖かく、大量の汗をかく。体温調節と水分補給が疲労を軽減させる。８００m付近は、平坦な地形で、火打山川の渡渉点を探しながら上流へ。川幅５m程の浅瀬をスキーを外して対岸へ。渡渉してすぐ、急な斜面にとりつき、ピークまで２時間、延々と登っていく。
　特に最初の１時間は、こう配も急で、気を抜くと滑落しそうな斜面を、ジグを切りながら登る。６名のうち、２名がクトーを装着する。１１００mからこう配が幾分緩やかになり、尾根筋で展望が開ける。北には日本海、南には焼山、火打山が望める。火山の噴火によって形成されたこの付近は、鋭角なところがなく、雪が積もり、すべてが緩やかな曲面となり、優しく、開放的。北アルプスの急峻な地形とは異なる印象。
　山スキーエリアとして有名な焼山北面台地の雄大な景色を眼下に眺めつつ、アドレナリンの出るスキー登高を楽しむうちに、空沢山（１４２１m）のピークへ到着。天候は安定し、無風で穏やかな時間の中、昼食休憩。焼山は活火山で、水蒸気が上がっているのが確認できた。太陽に照らされた火打山が白銀に輝いていた。
　シールを外し、下降は登ってきたルートを下らず、北へ続く稜線へ向かう。ピークから１２００m付近までは、滑りが楽しめた。いい斜面が北東方向に下まで続いてるのを横目に地図と地形を照合しながら、北へ繋がる稜線に向かう。一旦シールをつけて、稜線に出てから、1時間程、ほぼ水平に移動する。稜線の途中に、西からの尾根への分岐があり、その尾根を出発地（笹倉温泉）への下降ルートとする。
　1200mのジャンクションから１０００ｍ付近までは雪質もよく、滑りが楽しめた。９００mくらいから、杉の植林帯となる。気温が上がったこともあり、雪が重く滑りにくいが、雪が繋がっているだけでも有難い。笹倉温泉に下山し、風呂でさっぱりしたあと帰路についた。
　スキーを利用して、積雪期限定のピークが踏めるのは喜びである。この時期は、冷涼な空気と、雪に覆われた山が見せる表情が美しい。雪上を歩き、滑る時の雪と戯れるような感触。ルートファインデイングで目的地に向かう冒険心。加えて今回は、下山地が温泉というのもうれしかった。
松宮（記）